今の時代は1つの家に住み続けるという考え方より、ライフスタイルや家族構成に合わせて柔軟に住まいを変えたいと考える方が多くなってきています。
ただし今の家に住みながら売却できるのか不安に感じて、なかなか決断できないという声は多く聞かれます。
住みながらマンション売却をおこなうことは、「売却先行」の方法で、旧居を売却してから新居を購入するという流れです。
売却先行で住み替えをおこなう場合は、必然的に住みながら家の売却活動をおこなうことになります。
住みながらでもマンション売却ができるので、状況によって選択肢の1つとしてご検討ください。
住みながらマンション売却をおこなう際に知っておきたいポイントを整理しておきましょう。

住みながら内覧を実施する

空き家であれば家具や生活雑貨をなくして、家そのものを購入希望者に案内できますが、売却先行の場合は、住みながら内覧を実施しなければなりません。
住みながらマンション売却をおこなう場合に注意したいポイントは、内覧に立ち会う必要があるということです。
新築物件や空き家の場合は不動産会社の担当者が購入希望者と日程調整をおこなって、担当者のみが立ち会っておこなわれることが一般的です。
しかし、住みながらマンション売却する場合は、売主の立ち会いが求められることを覚えておきましょう。
不動産売買の統計では、5〜10件ほどの内覧をおこなって成約に至るケースが多いと言われています。
売却活動の間は内覧者を迎えるために日程をあけておく必要があります。
内覧時の対応については、プロの不動産会社にお任せしましょう。
来訪日時の調整や来訪時の案内は担当者がアテンドしてくれます。
購入希望者に良い印象を持ってもらえるように、室内をきれいに整えて迎え入れましょう。
内覧の日程は不動産会社から前もって連絡が入るので、急に来訪するということはないので安心してください。
ただし購入希望者のなかには、スケジュールが空いたので当日見に行きたいと連絡する方もいるでしょう。
無理をする必要はありませんが、急な希望にも対応できるように構えておくと機会損失を防げます。

住みながらマンション売却はできることはわかりましたが、住みながら売却するメリットとデメリットについても把握しておくことが大切です。
住みながらマンション売却ができるとは言えネガティブな印象をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。
メリットとデメリットを比較し、ご自身の状況に合うか検討してみてください。

住みながらマンション売却するメリット

新居を購入する前にマンション売却することで、資金面でゆとりが生まれるメリットがあります。
ダブルでローンを組む必要がなくなったり、新居の頭金を増やせたり、資金繰りが計画しやすくなります。
借り住まいを用意する必要もなく、無駄な出費を減らせるメリットがあります。
また、内覧時に実際に住んでいる居室を紹介しなければならない点をデメリットと捉えるかもしれませんが、メリットが多い点も理解しておきましょう。
家具や生活雑貨が置いてあることで、購入希望者がこれから物件でどのような暮らしをするかイメージしやすい利点があります。
センスよく家具や小物が置かれていれば印象が良く、成約に結びつくことも考えられます。
空き家で殺風景な雰囲気だと良くも悪くもなく決め手に欠ける場合がありますが、生活空間を紹介することで実際の暮らしを想像できるメリットが生まれます。
住みながらマンション売却をおこなう場合は売主が立ち会いますが、売主と買主が対面することも成約に効果的に働く可能性があります。
購入希望者が物件周辺の土地に詳しくない場合、周辺の情報を知りたいと考えているでしょう。
実際に住んでみて発見した土地の良さや物件の魅力を、売主と話せる機会は貴重です。
夜遅くまで開いている店や交通状況など、暮らしてみないとわからないことを伝えられます。
また人の心理として、中古物件を購入するときは前の持ち主がどのような方かは気になるものです。
内覧時に笑顔で親切に対応することで信頼関係が構築でき、物件の印象が良くなることにもつながります。
マンション売却をおこなう際は、物件だけでなくどのような人が住んでいた家なのかも見られているということを意識することが大切です。

住みながらマンション売却するデメリット

内覧時に生活の場を見せることをメリットに挙げましたが、気を付けないと悪印象になってしまうことに注意が必要です。
住みながらのマンション売却は内覧時に生活スペースを案内することになるので、生活感が出てしまうデメリットがあります。
不用品などは早めに処分し、季節用品など今使用しないものは貸し倉庫などを利用しましょう。
とくに生活感が出やすいキッチンやお風呂などの水回りは、入念な掃除と整理整頓が大切です。
また、内覧の日程は土日祝日に多いことも理解しておきましょう。
平日は仕事があり休日に内覧を希望する方が多く、スケジュール調整をおこなう必要があります。
貴重な休日が内覧で潰れてしまうので、デメリットに感じる方もいらっしゃるかもしれません。

住みながらマンション売却をおこなう際は、闇雲に売却活動をおこなうのではなく、成功するコツをおさえて実施しましょう。
空き家とは異なる点に注目する必要があります。

住みながらマンション売却を成功させるコツ①柔軟にスケジュール管理する

前述したとおり、内覧は土日に集中するため売却活動時期は私用を控えると購入希望者の要望に応えられます。
内覧をお断りすることは売却のチャンスを逃すことになります。
売却活動を短期間で終わらせるためには、ご自身の予定をある程度調整すると良いでしょう。
いつまでも続くわけではないので、売却期間中はしょうがないと割り切って旅行などキャンセルが難しい予定を少なくすることが成功するコツです。

住みながらマンション売却を成功させるコツ②内覧時に清潔感をアピールする

購入を判断するタイミングの多くが内覧時です。
そのため、水回り、収納、ベランダ、玄関など、リビングやダイニングルームなど目に付くところだけでなく、細かい箇所についても気を配ることが大切です。
雑多にものが置かれていると、内覧者は「物件をしっかりと管理していたのか？」と不安になります。
清潔感を大切に、良い印象を持ってもらえるように配慮しましょう。

住みながらマンション売却を成功させるコツ③新居探しを同時に進める

住みながらマンション売却を成功させるには、新居探しも並行しておこなうことが大切です。
購入希望者が入居日を指定された際に、まだ新居が決まっていないと見送ることにもなりかねません。
新居の契約から引っ越しまで4か月ほどみておく必要があるので、売却と同時に新居の情報収集をおこなうことが住み替えが成功するポイントです。

「マンション売却を検討しているけれど、二重でローンを支払う余裕がない」などとお悩みの方に、住みながらの売却はおすすめです。
マンション売却は住みながらでもできるので、焦らずおこなえて余分な費用がかからないメリットがあります。
成功のコツをおさえて、円滑に売却できるようスケジュールを考えてみてください。