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マンションを売却するときにかかる固定資産税について
マンション売却では、固定資産税というものがかかってきます。
このとき気になるのが、「精算は売主・買主どちらがおこなうのか?」という点です。
一般的には日割り計算で折半しますが、起算日がいつかで負担額が変わってきますので、売却する前にきちんと理解しておきましょう。
はじめて売却する方は、ぜひ本記事を参考にしてみてください。
マンション売却における固定資産税の精算方法について
マンションを売却すると、固定資産税の精算が必要になります。
固定資産税の精算は一般的に日割り計算で折半しますが、引き渡し日までと引き渡し以降では売主・買主で負担します。
また固定資産税評価額は3年に1回のペースで変わるため、そのへんも十分理解しておかなければいけません。
ここでは、マンション売却における固定資産税の精算方法について時期や起算日を解説します。
固定資産税の精算方法
マンションを所有している方に課税されるため、納税で揉める心配がありません。
また固定資産税は、毎年1月1日が課税日です。
このとき所有していれば、どんな理由でも売主に納税義務が発生します。
そのため、日割り計算で生産するケースが多いのでしょう。
先ほども述べたように、固定資産税の精算は日割り計算になります。
引き渡し前後に分けて計算するので、初心者でも比較的分かりやすいでしょう。
ただし地域によって起算日が異なるので注意してください。
1月1日は関東地方、関西地方は4月1日から計算します。
起算日が1月1日だった場合
引き渡し日までは売主が、引き渡し日以降は買主が負担するため、1月1日が起算日の場合、1月1日~9月5日までが売主が負担します。
買主は、9月6日~12月31日までを負担し、売主のほうが長く負担することになります。
たとえば「固定資産税額が10万円のマンション」「9月6日に所有権移転」の場合、売主は10万円×248日/365日=67,945円、買主は10万円×117日/365日=32,055円と計算されます。
先ほど「9月6日に所有権移転」を例にしたので、買主から32,055円を受け取り固定資産税を精算することになります。
起算日が4月1日だった場合
この場合の日割り計算は、4月1日~9月5日までを売主、9月6日~3月31日までを買主が負担します。
1月1日を起算日にするケースとは日数が異なり、買主の負担のほうが大きくなります。
計算方法は1月1日と同じです。
売主は43,288円、買主は56,712円負担します。
関東と関西で比較すると、売主は関東のほうが、買主は関西のほうが高いことが分かります。
マンション売却時の固定資産税を精算する時期とは
では、固定資産税を精算する時期はいつでしょうか?
毎年5月頃になると、納税通知書が届きます。
マンションを売却する場合、「今年の納税通知書が届いてから」「昨年の納税額を参考に」の2つの方法があります。
ここでは、それぞれの時期について解説します。
今年の納税通知書が届いてから
確定している固定資産税を元に負担するため、税額を間違える心配がありません。
ただし負担は売主・買主双方になりますが、マンションの売買契約を終えたあとは買主に連絡することを忘れないようにしてください。
また、可能であれば今年分の納税額を再精算するのもおすすめです。
これは、昨年の納税額を参考にする場合でも同様になります。
手間がかかるため煩わしい方はそのまま進めてもかまいませんが、再精算の取り決めをしておくことで売主のリスクが軽減できるでしょう。
昨年の納税額を参考に
昨年の納税額を参考に、売却したあと精算する方法です。
評価額の変更がない限り基本的に昨年と同じ税額を負担することになります。
ただし、評価額が見直される時期におこなうと昨年と税額が変わってしまうので注意してください。
また税額を間違えやすいのもこちらの方法でしょう。
不動産会社に依頼するのが安心
計算は自分でもできますが、売主・買主だけで進めてしまうと精算方法や時期などでトラブルになりやすいといわれています。
少しでもスムーズに進めたいのであれば、マンション売却を仲介してもらった不動産会社に依頼したほうが賢明でしょう。
第三者の立場で公平に決定してもらえるので安心です。
ちなみに、他社に依頼した場合、気になるのが費用ではないでしょうか。
結論から申し上げますと、不動産会社に依頼しても特別な費用はかかりません。
また固定資産税分担金の支払いにも費用はかからないので安心してください。
マンション売却時に固定資産税を精算するときの注意点
マンション売却で固定資産税を精算する場合、買主には納税義務がないこと、精算した金額は譲渡所得に含まれることを注意点として念頭においておく必要があります。
それぞれの注意点を、もう少し解説していきましょう。
買主には納税義務がない
これは法律上決まっており、あくまで納税義務は所有者である売主になります。
たとえ途中で売却しても変更されることはないため、買主が納税義務がないことをきちんと主張すればトラブルになる心配はないでしょう。
交渉が難航する前にしっかり対応しておくようにしてください。
ただし起算日は法律で定められたルールはありません。
売主・買主によって決まるため、その辺も十分理解しておく必要があります。
前にも述べていますが、起算日が1月1日と4月1日では負担額も大きく変わってきます。
トラブルにならないように契約書に明記しておくと安心です。
精算した金額は譲渡所得に含まれる
マンションを売却すると、譲渡所得税がかかります。
これは清算した金額も含まれ、売却での収益のみを譲渡所得税として納税してしまうと脱税を疑われる恐れがあるので注意してください。
不動産会社に相談すること
トラブルにならないためには、不動産会社に相談したほうが良いというのは以前も述べています。
とくに起算日や固定資産税の計算についてはきちんと相談することで安心安全に負担できます。
とはいえ、すべて不動産会社に任せてしまうのも危険です。
あくまで不動産会社の意見は参考程度に、気になる点がある場合や交渉が難航する場合のみ確認や修正をおこなってもらいましょう。
引き渡し日と納税タイミング
納税するうえで複雑なのがこの2つです。
引き渡し日とは不動産登記の申請日のことで、固定資産税額の納税通知書が届くのは5月になります。
これは先ほども解説していますが、金額が確定していない状態で引き渡しがあった場合、昨年の固定資産税額から日割り計算します。
しかし、何度も述べているとおり固定資産税額は3年に1度見直されます。
その額は大幅に変動するため、前述した方法で計算してしまうと納税額と金額が変わってしまう可能性があります。
トラブルにならないためには不動産会社に相談するのもひとつの手段ですが、売主・買主である程度歩み寄っておくことも大切でしょう。
また4月1日が起算日だった場合、物件の引き渡し日が1月2日~3月31日の間にあると大変です。
翌年度の納税通知書が売主に届くため、買主は支払いが終わったあとにすぐに翌年分を支払うことになります。
金銭的な負担になりやすいことも注意点でしょう。
この場合、買主は翌年分を売主に送金するなど取り決めを交わしておくと安心です。
まとめ
マンションを売却するうえで重要になる固定資産税について、ご紹介してきました。
税額は、起算日がいつかによって計算方法が異なります。
とくに4月1日で日割り計算する場合、買主の負担が大きくなりやすいので、売主・買主でしっかり話し合い歩み寄っておくようにしましょう。