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一戸建ての外壁はなぜ汚れるのか?掃除方法や塗り替えについて解説
新築時はきれいな外壁も、年月が経過するにつれて汚れが発生します。
放置していた場合は、美観が損なわれるだけでなく、蓄積するほど汚れが落ちにくくなりトラブルを招きやすくなります。
そのため、定期的に掃除をおこない早めに対処することが必要です。
そこで今回は、一戸建ての外壁はなぜ汚れるのかを説明したうえで、掃除方法や塗り替えサインについても解説します。
一戸建ての外壁が汚れる原因とは
ここでは、外壁が汚れる5つの主な原因についてご紹介します。
都市型
外壁ボードの継ぎ目やサッシ周辺に使用されているシーリング部分には油分が含まれています。
年月が経つごとに油分が少しずつ溶け始め、排気口からほこりや煤が排出され、大気汚染物質などと混ざることにより、頑固な汚れとなるのです。
これらによって蓄積されたものを「都市型」と言い、排気口や窓、外壁の軒下などに黒ずみとなって出現します。
また、油分が含まれているため雨水で流れることはありません。
雨だれ
雨だれとは、雨水が排水される通り道にほこりなどが一緒に流れることで付着する黒い汚れのことをいいます。
最近では、汚染しにくい疎水性の高い素材を使用しているところも多くありますが、決して汚染されないというわけではありません。
疎水性が高いと水を弾くことはできますが、雨水に含まれた油汚れは外壁に吸着する性質があるため注意が必要です。
コケ・カビ・藻
日当たりが悪かったり、湿気が多かったりする立地の場合は、コケやカビ、藻に注意しましょう。
胞子や菌は汚れを栄養に繁殖するため、掃除を怠るとどんどん増え続けます。
また、外壁の種類によっても異なり、モルタルやリシン、ALC、窯業系サイディングの場合はとくに発生しやすくなります。
塗料の寿命
塗料には、建物を保護する重要な役割があり、雨水などから建物を守っています。
その塗膜が劣化すると、防水機能が損なわれ汚染されやすくなります。
塗料の寿命は、3年程度のものもあれば、15年程度のものもあり種類はさまざまです。
また、立地環境によっても耐久性が異なるため、その環境に応じた寿命を見極めるようにしましょう。
コウモリや鳥の糞
コウモリや鳥の糞も原因のひとつです。
家にコウモリや鳩が住み着いた場合は被害も大きくなるでしょう。
とくにコウモリの糞には菌が含まれており、空気中に舞い上がった菌を吸い込んだ場合は、健康被害が起こる可能性もあるため注意が必要です。
放置するとどうなるのか
放置すると美観が損なわれるだけでなく、蓄積するほど汚れが落ちにくくなります。
また、塗膜がはがれることにより、耐久性が弱まり防水効果が低下します。
すると、雨水や紫外線の影響を受け続けるため、さまざまなところで劣化が出現するでしょう。
それでも放置し続けると、雨漏りなどによりカビやシロアリ被害にあったり、シックハウス症候群などを引き起こす可能性もあります。
さらに、建物を支える梁や柱が腐食すると、最悪の場合、倒壊の危機に発展する恐れもあるため注意が必要です。
一戸建ての外壁掃除の方法について
掃除をおこなう前に、自宅の外壁の種類を確認しておきましょう。
種類によっては、自分で掃除をすると傷めてしまう恐れがあります。
たとえば、モルタルの場合は表面に凹凸があるため、家庭用の高圧洗浄機ではきれいに掃除ができず、水圧で破損させてしまう可能性もあります。
また、漆喰の場合も洗浄をすると剥がれ落ちるため注意が必要です。
このように、モルタルや漆喰の場合は洗浄と塗装を合わせておこなわなければならないため、業者に依頼すると良いでしょう。
さらに、タイルの場合も洗浄すると浮いたり剝がれたりする恐れがあるため、業者に依頼したほうが良いでしょう。
ここでは、外壁材として主に使用されているサイディングの掃除方法をご紹介します。
掃除頻度
掃除頻度は年に1〜2回程度が目安です。
掃除をする際は、劣化していないかを確認しながらおこないましょう。
掃除に必要なものは、洗車用のスポンジと雑巾、中性洗剤です。
掃除手順
続いて、掃除手順について解説します。
まずは、ホースや高圧洗浄機を使用し全体を水洗いします。
水は上のほうから順番にゆっくり洗っていきましょう。
業者に依頼すると、高圧洗浄機を使用して洗浄をおこないますが、水が室内に侵入してしまう可能性もあります。
水圧に十分注意し、必要に応じては窓周りを養生したうえで洗浄すると良いでしょう。
次に、中性洗剤とスポンジを使用して水洗いでは落とすことができなかった汚れを落としていきます。
中性洗剤は10〜20倍程度にぬるま湯で薄めて使用してください。
カビやコケが発生している場合は、カビ取り剤をスプレーしておくと良いでしょう。
そして、水で洗剤を洗い流します。
このときに、コーキング部分には直接水を当てないように、雑巾で優しく拭き取るようにしましょう。
コーキング部分が傷つくと室内に水が浸入するため注意が必要です。
また、中性洗剤の洗い残しは劣化原因のひとつであるため、しっかり洗い流すようにしましょう。
最後に、自然乾燥をさせて完了です。
一方、窓サッシがある場合は、サッシやレールについた砂やほこりを掃除機やほうき、歯ブラシなどを使用し取り除きます。
サッシの汚れは水に濡れると落ちにくくなるため、乾燥した状態で取り除くのがおすすめです。
取り除けたら、雑巾で水拭きをします。
それでも落ちない場合は、中性洗剤を10〜20倍程度にぬるま湯で薄めて、それを雑巾に含ませて拭き取りましょう。
最後に、もう一度雑巾で水拭きをおこない、自然乾燥をさせて完了です。
一戸建ての外壁を塗り替えたほうが良いサイン
10年以上再塗装をおこなっていない場合は、塗り替えを検討したほうが良いでしょう。
しかし、10年を経過していなくても塗り替えをおこなったほうが良い場合もあります。
年数だけでなく外壁の状態からも判断ができるため、チェックしてみましょう。
ここでは、塗り替えたほうが良いサインを5つご紹介します。
チョーキング
チョーキングとは、外壁の表面に粉がふく現象のことをいいます。
手で外壁に触れると白い粉が付着するため、すぐにわかります。
これは、塗料の成分である顔料が、紫外線によって分解されることで起こるのです。
色あせ
紫外線を浴びることで色あせが起こります。
色あせが起こっていることで塗装を急ぐ必要はありませんが、塗装を検討しても良い時期といえるでしょう。
黒ずみ・コケ
北側や陰になっている部分などの日当たりが悪いところでは、とくに黒ずみやコケが発生しやすくなります。
定期的に掃除しながらチェックしておくことがポイントです。
ひび割れ
劣化が進むと、ひび割れを起こすことがあります。
しかし、ひび割れの補修のみをおこなうと、どうしても補修跡が残ってしまいます。
そこで、補修後に全体の塗装をおこなうことで、多くの場合は補修跡がわかりにくくなるのです。
コーキングの傷み
サイディングやALCは、ボード上の外壁材が繋ぎ合わせてあるため、つなぎ目が目立ちます。
このつなぎ目は「コーキング」と言われるゴム状のもので埋められますが、経年劣化により隙間やひび割れが生じます。
これらのサインがみられた場合は、塗装を検討すると良いでしょう。
まとめ
一戸建ての外壁が汚れる原因は、都市型や雨だれによるものが多く、放置すると最悪の場合、倒壊の危機に発展する恐れもあります。
掃除の際は、水洗いをして中性洗剤とスポンジで汚れを落とし、もう一度洗い流し自然乾燥をさせます。