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不動産売却に耐用年数が与える影響とは?建物別の耐用年数と減価償却について

不動産売却をスムーズに進めたい方は、建物の耐用年数が売却に与える影響を把握しておきましょう。
耐用年数は建物ごとに異なり、売却価格や売却のしやすさに大きく影響します。
また、減価償却をどのくらいしたかによって譲渡所得の金額も変わってくるので、耐用年数と減価償却の関係についても把握しておくと売却を円滑に進められます。
この記事では、耐用年数とは何か?また建物ごとの耐用年数と減価償却との関係などをご紹介していきます。
不動産売却に影響を与える耐用年数とは

ここでは、耐用年数とは何か?また耐用年数の種類を解説していきます。
耐用年数とは?
耐用年数とは、対象となる「資産」をどのくらいの期間使用できるかを表したものです。
もう少しわかりやすくご説明すると、建物の価値が減少していくのをわかりやすく表すための数値と言えます。
建物は建築直後から価値が減少していきますが外見だけでは判断ができないため、耐用年数というものを使い価値がどのくらい減少しているのかを表すのです。
耐用年数を過ぎた不動産は、価値が減少したものとして扱われるので、たとえ通常とおりに使用できてもその価値が大きく下落します。
耐久年数との違い
耐用年数とよく間違われるものに耐久年数があります。
よく似た言葉ですがその意味合いは大きく異なります。
耐用年数は、「この資産はこれくらいの期間で価値がなくなる」と国が決めたもので、法的に定められたものです。
一方、耐久年数は作成したメーカーなどが、「これくらいの期間は使用できるだろう」としたもので、法的な決まりなどは一切なくおおよその期間として公表しているものになります。
そのため、2つを混同しないようにしましょう。
耐用年数の種類
耐用年数は、「物理的耐用年数」「経済的耐用年数」「法的耐用年数」という3つの考え方をもとに決められています。
物理的耐用年数は、文字とおり建物などを構成している材料などがその性質や品質を維持できる期間を指します。
経済的耐用年数は、その資産が実際にどのくらい使用できる(住める)かを示すものです。
物理的耐用年数では建物が壊れるまでの期間を示しますが、経済的耐用年数では資産が役割を果たせる期間を示しているので、建物ごとにその期間が異なります。
また、建物を修繕した場合などの状況を加味しながら算出されます。
法定耐用年数は、国が建物や構造によって定めた公平な耐用年数です。
この期間は国が定めたものなので、税務上の計算などに使用されます。
建物構造による耐用年数の違い

耐用年数は建物の構造ごとに決められており、大きく4つの種類の分けられます。
建物構造ごとの耐用年数をご紹介していくので見ていきましょう。
戸建て住宅
一戸建て住宅の耐用年数は、法律で22年と決められています。
建物の種類には、木造住宅・合成樹脂造の住宅などが含まれており、建物構造別に見ると2番目に耐用年数が長い構造です。
この場合、【6,500万円÷22(耐用年数)=295】と計算することができ、1年当たり295万円ずつ価値が減少していると見ることができます。
そして、22年経つと耐用年数の観点で見た場合に価値が0円となります。
これはあくまで資産価値が0円となるだけで、売却価格が0円になるというわけではないので、その点は勘違いしないようにしてください。
中古住宅
新築の住宅では資産価値を耐用年数で割るシンプルな計算で求められますが、中古住宅は計算方法が変わります。
中古住宅の場合は、【「法定耐用年数-築年数」+築年数×20%】という計算式を使用するため、築年数によって耐用年数が異なるのです。
たとえば、築年数15年の戸建住宅を購入した場合、【「22(耐用年数)−15(築年数)」+15(築年数)×20%=10】となるので、耐用年数は10年となります。
また、建物が耐用年数を超えている場合は【法定耐用年数×20%】という計算式を使用します。
中古の戸建住宅の場合は【22年(耐用年数)×20%=4】という計算式になるので、耐用年数は4年です。
マンション
マンションの耐用年数は47年に設定されています。
この耐用年数は、建物構造別で見た場合1番長いため、長期間に渡り価値を維持してくれる資産と言えるでしょう。
マンションは、構造が鉄筋コンクリート造りなどになっているものが多く、木造と違い強度が高いためこのように耐用年数が長くなっています。
また、マンションも中古物件の場合は先述した計算式を使用して耐用年数を求めます。
木造アパート
木造アパートの耐用年数は20年に設定されています。
木造アパートは、木骨モルタル造という構造で建てられている場合があり、通常の木造造りより強度が落ちるため、耐用年数が短くなっています。
このように、耐用年数が短い不動産を売却する際は、価値が減少する前に売却することで高値での売却が可能です。
耐用年数と減価償却の関係とは?

ここでは、減価償却とは何か?また耐用年数とどういった関係があるのかご紹介していきます。
減価償却は不動産売却に大きく影響するため、しっかり理解を深めましょう。
減価償却とは?
減価償却とは、不動産の取得にかかったお金(経費)を会計処理するときの勘定項目のことです。
不動産のように購入した時点から価値が減少していく資産は、減価償却処理をすることで、毎年一定の金額を経費として処理することができます。
そして、耐用年数をもとに減価償却の金額が決まるため、不動産売却をする際は耐用年数が重要になるといわれています。
減価償却の計算方法
減価償却をする際は「定率法」と「定額法」の2種類の計算方法があります。
定額法では、毎年一定の金額を経費として計上するため【減価償却額=取得価格÷耐用年数】という計算式を使います。
定率法では、毎年一定の割合で経費に計上していくため【減価償却額=未償却残高×償却率】という計算式で求めることができ、定額法よりも短い期間で減価償却が可能です。
どちらの計算式にも耐用年数が入っていることから、耐用年数は減価償却の計算をするうえで欠かせないものだというのがわかるでしょう。
減価償却が不動産売却に与える影響
減価償却が不動産売却に与える影響は、譲渡所得の金額です。
譲渡所得は【課税譲渡所得金額=売却価格ー(取得費+諸経費)】という計算式で求めることができ、この中の「取得費」に減価償却が大きな影響を与えます。
取得費とは、不動産の取得にかかった費用のことで、減価償却をすることでこの取得費が下がるので、結果として譲渡所得が増え最終的に支払う税金が増えるのです。
もちろん、計算の合計金額がマイナスになっていれば課税はされませんが、プラスになった場合は課税の対象となります。
そのため、税金の支払いが気になる方は、売却までに譲渡益がでるか確かめておくと安心です。
税金の有無によって売却価格を変更することもあると思うので、売却価格を決める際も譲渡所得を参考にすると良いでしょう。
減価償却ができるのは建物部分のみ
減価償却ができるのは建物部分だけで、土地は減価償却をすることはできません。
建物は劣化するのに対して、土地は劣化しないため減価償却の対象とならないのです。
まとめ
不動産売却に耐用年数が与える影響について解説しました。
減価償却の計算をする際は、建物ごとの耐用年数を間違わないようにしてください。
また、減価償却によって節税できる反面、譲渡所得税が高くなる場合もあるので、売却価格などを調整して上手に売却をおこなってください。