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不動産の相続登記の義務化の背景や罰則の内容と放棄の方法

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不動産の相続登記の義務化の背景や罰則の内容と放棄の方法

親や配偶者など、自分との関わりが深い人物がなくなったら、その方が所有していた財産を法定相続人同士で分け合って相続することになりますが、不動産もそのうちの1つです。
相続をしたら、まずはその物件の所有者を自分として登録するための登記をおこなう必要がありますが、最近では法改正がなされたことで、その相続登記が義務化されることになりました。
義務化されることによって何が具体的に変わるのか、そして気を付けなければいけない点はどこにあるのかを知っておくことで、トラブルを回避することができます。
今回はそれらのポイントについて詳しくご紹介していきます。

相続登記が義務化されることになった背景

相続登記が義務化されることになった背景

まず、なぜ登記が義務化されることになったのでしょうか?
これまで、相続をおこなっても、相続人が登記をおこなわない限りは所有者は以前の所有者のまま変わらず、もし亡くなっている場合でも自動的に所有権を変えられることはありませんでした。
故人に権利が委ねられているとなると権利問題が複雑化してしまい、実際の所有者に辿り着くまでに調査が必要となってしまいます。
これまでは、相続した人に任意として委ねられていた登記が、義務化されることになった背景にはどのようなことがあったのでしょうか?
まず、一番の理由としては、所有者がわからない状態の物件や土地が増えてしまったことによる問題です。
先ほどにも触れたように、相続人に委ねている以上、どうしても登記の漏れがあったり、登記をしなくても責任に問われないことから後回しにしてしまう所有者が多くなっていました。
そのことから、すでに所有者が亡くなっているのに所有権が曖昧になっている空き家などが増え、結果的に処分を複雑化させてしまっていたのです。
このように、所有者が亡くなっている状態で、相続の権利がある人物が多数にわたってしまって判別が難しい不動産のことをメガ共有地と呼びます。
もちろん、登記をしていない場合でも、所有者が亡くなっているとわかれば戸籍情報から配偶者や子孫、両親を調べたうえで現在は誰が所有しているのかを調べることができます。
しかしながら、しっかりと物件の登記情報として所有者が登録されている方が情報の管理がしやすく、当然とも言えますが管理する側である自治体のコストや負担を大幅に減らすことができるのです。
以上のことから、この登記が義務化された理由としては、登記がされないまま放置された物件がメガ共有地として増加傾向にあることが社会問題となってしまったことが考えられます。
この義務化は、2024年の4月1日から本格的に導入される予定なので、必ず覚えておくようにしましょう。

相続登記の義務化や、義務化される項目や罰則の内容

相続登記の義務化や、義務化される項目や罰則の内容

さて、ここまではなぜ義務化が図られたのかの原因についてご紹介してきましたが、登記の必要性についてなんとなくお分かりいただけたでしょうか?
登記されないまま放置された空き家が増えてしまうと、単に街の景観を損ねてしまうという理由もそうですが、物件が建ったままだと本来財産として考えられる土地を無駄遣いしてしまうことになります。
放置されたまま、手付かずの土地が増えれば増えるほど、利用価値のある不動産は減っていってしまいますので、自分の立場からだけではなく、相対的に見たときに損をしてしまうことに繋がります。
それでは、ここからはこの相続登記の申請義務化によって定められている具体的な要件や項目についてをご紹介していきます。
何を必要とされるのか、何を定められているのかがわからないと、ただ義務化されているというだけでは理解が難しいということもあると思いますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
まず、今回は法律の改正によって義務化が促進されることになりましたが、ここで基準となる法では、まずは登記をおこなう期限、そしてその期限を過ぎてしまった場合の罰則について明記されています。
不動産の相続の場合には、被相続人となる所有者が亡くなってすぐに相続の義務が発生することになります。
基本的な期限を設けるための最初の日は、相続人が相続しなければいけないとわかったタイミングのことを指します。
そのため、一般的に起源について考える際には、被相続人が亡くなってから経った年月で考えると間違いないでしょう。
さて、ここで義務化の期限とされているのは相続の必要があると判明してから3年以内で、もし3年以上何もせずに放置してしまうと、10万円以下の過料を請求されることになります。
これに関する補足情報として知っておかなければならないのが、法改正前に相続した物件についても、同じく義務化が適用されるということです。
これはつまりどういうことかというと、2015年に相続の必要が発生した物件を放置したままでいる場合、その不動産も法改正から3年後の2027年の4月までに登記されない場合には罰則の対象となるのです。
義務化についての法改正に伴って起こる罰則や項目は以上ですが、この法改正とともに変更となる項目が何点かあるので、ここからはその項目についても一緒に確認していきましょう。
まず、相続人申告登記が新たに創設されることになります。
この制度は、相続人が複数いて相続の方法や分け方がまとまらない時のために、自分が相続人であることをあらかじめ法務局に申告することができるものです。
ここで申告することで、期限内に登記をしなくても罰則の対象とならずに済むというメリットがあります。
また、単なる登記だけでなく、これまでには必要とされていなかった登記名義人の氏名または名称、そして住所変更の登記の義務付けもされることになりました。
これは相続だけに限らず、不動産の所有者の名前が何らかの事情によって変更となった場合や、引っ越して住所が変更になった場合には登記の内容も変更手続きをする必要があります。
これまでにはそのままにしていてもとくに咎められませんでしたが、今後は変更から2年以内に登記をしないと5万円以下の過料を求められることになりますので、注意が必要です。

相続したくない場合の所有権放棄

相続したくない場合の所有権放棄

ここまでは相続することを前提に、登記の義務化についてご紹介してきましたが、実際に利用する目的のない物件の相続を放棄することはできないのでしょうか?
実は、今回の義務化に伴って、相続をしたくない土地の場合には所有権を放棄して国庫に帰属させることができるようになりました。
法務局に申請をすることで、土地所有権放棄をしてその土地を国庫に帰属することができるものですが、この制度を利用するのにも必要な条件が何点かあります。
まず、建物が建っている場合や、隣地と境界線などの問題でトラブルが起きている場合、また今後道路などの公共的な建造物として利用される予定がある土地に関しては対象外となります。
そして、土地を帰属させるための負担金として、その後10年間の管理費を事前に支払う必要もあります。
負担金は経済的コストがかかりますが、その後何年にもわたって所有し続け、目的のないまま相続が続いていくことを考えると、ここで手放してしまっても良いと言えるでしょう。
相続をしたうえで、利用価値を考えて決めることが大切です。

まとめ

不動産の相続登記における法改正後の事項について詳しくご紹介してきました。
もしこれから相続を控えているという場合や、実際に相続の会議の最中だという人もいるかもしれませんが、自分にどのような義務が課されているのかを理解しておくことは非常に大切です。
後からトラブルになったり、余計なコストを支払うことがないよう、事前に今後の流れを掴んだうえで相続の手続きをおこなうようにしましょう。