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マンションの修繕積立金とは?改訂版ガイドラインに基づく適正値を解説

マンションの購入には、物件価格の他に修繕積立金や管理費などへの出費もあり、違いを知りたい方も多いのではないでしょうか。
この記事では、マンションの購入にともなう修繕積立金や管理費についてお伝えします。
さらに、修繕積立金が値上げになる理由や、適正値についても解説しますので、参考になさってください。
マンションの修繕積立金とは?目的と必要性を解説

修繕積立金の目的とは?
マンションの老朽化により将来すべき大規模修繕工事の費用を、あらかじめ予算を組んで積み立てておくことです。
将来すべき修繕とは、10年程度の周期で発生する建物本体や付帯設備のメンテナンス工事をいいます。
たとえば、外壁の補修や屋上の防水工事、バルコニーなど鉄製の部分の塗装、共用部分の廊下のシート貼り替えなどです。
配管の補修や各住戸の排水管の清掃、エレベーターの部品交換や全面改修も避けてとおれません。
その他、駐車場の増設、機械式駐車場の場合は部品交換や補修工事、近年多発する風水害による補修も大規模工事になります。
金額は、マンション入居者で構成する管理組合の策定した長期修繕計画に基づきますが、例外があることも知っておきましょう。
地震などによる損壊は、計画にはありません。
そのため、必ず管理組合の総会による決議をおこない、修繕積立金を取り崩して対応します。
管理費とは?
快適に過ごせるようにマンションを管理するための費用であり、簡単な補修費用も含みます。
具体的には、共用部分にかかる水道光熱費や電球などの消耗品です。
この他、管理人の人件費や共用部分の清掃代金など、管理会社への委託費も入ります。
簡単な補修費用とは、消防設備やエレベーターなどの定期点検やそれにともなう少額の修理費用です。
管理費から管理組合への出費もあり、総会資料や報告書の印刷代金や総会の茶菓代が該当します。
また、植栽の剪定料金は、物件によって対応が異なるため、注意が必要です。
多くの場合管理費に計上しますが、植栽が多く、計画的な管理業務として対応する物件では、修繕積立金で処理する管理組合もあります。
修繕積立金のチェックすべき点とは?
同程度の築年数の物件で、管理費と修繕積立金を比較しましょう。
多くの物件では、管理費用は毎月かかる費用のため適正な金額になっていますが、修繕積立金は使う機会が少ないため、適正な金額になっていないこともあるからです。
災害など不測の事態が発生した場合、積立金が少なければ特別徴収金での対応になり、入居者には大きな負担です。
毎月の負担額が少ない物件や計画に応じた金額になっていないと感じたときは、不動産会社に確認しましょう。
マンションの修繕積立金が値上げになる理由とは?

修繕積立金が値上げになる理由とは?
当初の大規模修繕計画を立案する際の想定が甘かったこと、メンテナンスや資材コストも含めた工事価格の上昇などです。
この場合、大規模修繕工事をしたくても積立金が十分にないため、できる範囲の補修で済ませるか一時金で対応する方法しかありません。
工事をしなければ建物の老朽化するスピードが増し、一時的な補修費用が増えるだけです。
必要な工事やメンテナンスをおこなっていない物件は資産価値が下がり、住み心地も悪くなります。
とはいえ、風水害など不測の事態などでは一時金で対応する物件も多くあります。
しかし、いつも一時金を徴収していると、入居者の負担が重くなるばかりです。
購入費用の返済計画にも支障をきたし、管理組合に対する信用も失墜してしまいます。
その他、駐車場の増設や機械式駐車場の導入など、所有者のニーズに基づく居住環境の向上を目的とした値上げもあることをご理解ください。
修繕積立金の2つの徴収方法
マンションの管理組合では、できるだけ値上げを回避するため徴収方法を工夫しています。
現在多くの新築物件で導入しているのが、「段階増額方式」です。
建物や付帯設備の修繕費用は年月を重ねるほど多くなるため、出費が多くなったときの所有者が負担すべきという考え方に基づいています。
段階増額方式は販売時の負担が少なく、とくに転売目的の方にはメリットです。
しかし、永住目的で購入した場合、現役生活をリタイアして収入が減少するときに負担が増すことはデメリットになります。
また、計画的な増額とはいえ、管理組合の判断で値上げを先送りすることも可能です。
そのため、次回の計画的増額時には当初の計画より値上げ幅が大きくなり、決議できない事態も発生します。
一方、国土交通省が推奨しているのが、「均等積立方式」です。
新築販売時から同じ金額を負担するため、永住目的の方は将来の負担が増える心配がなくなります。
さらに、値上げに関する管理組合の話し合いの回数を低減できる点もメリットです。
ただし、当初の計画よりも大規模修繕工事の費用や必要性が増した場合、転売目的の方には想定外になるため、値上げするための話し合いが困難になることもあります。
マンションの修繕積立金の適正値とは?

国土交通省は、修繕積立金の適正値をガイドラインで提示しています。
平成23年に公表しましたが、その後、実際の長期修繕計画を収集して数値を見直し、令和3年9月に改訂版を公表しました。
国土交通省が示したガイドラインに基づく適正値
数値はすべて、1m²あたりの1か月の負担額になります。
地上階数が20階以上の超高層マンションでは、平均値が338円、調査した3分の2が該当する範囲は、240円~410円です。
20階未満の物件は、延床面積に応じて4つの区分を設けています。
5000m²未満は、平均値が335円、調査した3分の2が該当する範囲では、235円~430円になります。
また、5000m²以上10000m²未満の物件では、平均値が252円、3分の2の該当範囲が200円~330円です。
10000m²以上20000m²未満は同様に、271円と200円~330円、20000m²以上では255円と190円~325円になります。
ただし、機械式駐車場の修繕工事費は別計算です。
ガイドラインでは、計算方法も公表しており、実際の数値と比較できるようになっています。
改訂版のガイドラインで見直したことは?
以前は25年以上に設定していた修繕計画の期間を、工事を2回おこなうと仮定して30年以上にしたことです。
調査結果に基づき、修繕する周期の見直しと省エネ仕様への改修工事、エレベーターの定期点検を長期修繕計画にくわえました。
さらに、修繕積立金の適正値の算出単価を「m²」に改めたこともポイントです。
また、従来のガイドラインは新築物件が対象でしたが、中古物件もくわえて、多くのマンションが対象になるように見直しています。
購入予定者が修繕積立金について注意すべきことは?
国土交通省のガイドラインでは、分譲会社に対して、新築物件の購入予定者に積立金の徴収方式を明確にすることを求めています。
現在の数値だけでは、将来的な値上げが入っておらず、説明が不十分になるからです。
説明する際は、ガイドラインを提示して金額の算出根拠を明確にすることの重要性も解説しています。
マンションを購入する側も、ガイドラインを参考に修繕積立金の適正値や相場を把握することも忘れないようにしましょう。
まとめ
マンションの修繕積立金とは、建物や付帯設備の大規模な修繕工事やメンテナンスをおこなうために入居者から徴収し、管理組合が運用するお金です。
長期修繕計画に基づき算出しますが、金額が不足する場合は値上げになることもあります。
国土交通省のガイドラインを参考に適正値を把握して、理解を深めましょう。